電気炊飯器の登場
おこげができない、スイッチ一つでご飯が炊ける-。
この革命的な出来事は昭和30年に起こった。
電気がま・電気炊飯器の登場である。
東芝から世に送り出されたこの調理器具は、これまでのかまどでまきをくべて、
火の調節をしながらの炊飯作業を、スイッチ一つに置き換えてしまった。
真っ白な胴体に銀色のふた。胴体の取っ手、スイッチの部分に黒の
ベークライトがアクセントになっている。
当時の炊事場ではひときわ目立ったであろう。
1.1リットル炊きが定価3,200円で新発売となった。
当時、大卒の初任給は5,000円から10,000円ほど。
50,000円前後はする洗濯機や冷蔵庫に比べて安価であったことや
実用性も高かったことから、電気炊飯器は一気に普及したようである。
今の電気炊飯器には一機能をPRする言葉として「かまど炊き」がよく使われている。
味の点では電化以前を懐かしく思うのだろうか。
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