伝書鳩1
戦争を体験した方から伝書鳩の話を聞き、とても気に入っていた。
それは、戦時中連絡する為に伝書鳩(軍用鳩)を使っていたというのだ。
小学校の未だ低学年だった私は、鳩の存在が日夜大きくなり、無理を言って鳩のつがいを
デパートの屋上にあった今で言うペットショップで買って貰った、鳩の小屋(鳩舎)というのだが、
大工さんに作ってもらい、伝書鳩を飼育する事になった。
伝書鳩である限り、大空を飛ばして還って来る訓練をしなければいけない。
伝書鳩は外へ出せば還って来るものだと信じて疑わなかった私は、つがいの鳩を鳩舎から外へ出した。
還って来るどころか、すぐに見えないところへ飛び立ち飼育を始めて
その日のうちに何処かへ姿を消してしまった。
追いかけようにも相手には羽があり、飛んでいるのだから
あきらめるしかなかったのだが、屋根に上がり放心状態だった。
知り合いが伝書鳩を飼っていたので、その家へ何度も通い
雛を2羽その方の好意でもらう事ができ、鳩を飼う日々が続く事になった。
今度は鳩舎から出しても、必ず還って来る。
鳩も飼い主をよく知っていて、鳥なのに本当に可愛かった。
伝書鳩を飼いだして数年後、20数羽を飼育するようになっていた。
当時、伝書鳩教会というのがあって、秋田県から飛ばす競争があり、還って来なかったらどうしょうと
不安いっぱいの中すすめられるとおり、2羽を秋田県へ教会を通じて送る事にした。
放鳩したと報告を受けてから、毎日学校が終われば屋根の上で日が暮れるまで
飛ばした鳩が帰ってくることを望みながら過ごした。
半ばあきらめかけた一週間ほど経った夕方、やせこけて一羽が還って来た。
感動だった、秋田県からの距離を余り知らなかったのだが約800キロあると聞いて
後悔ばかりしながら待っていた、その1日後もう一羽も還って来た。
この鳩は可愛そうだった、胃が破れていた、どうも隼(鷹の仲間)にやられたらしい。
獣医がなかったので、針を使い自分で破れた胃を縫った、その翌日
死んでしまったのだが、胃が破れながらも還って来た鳩を忘れない。
小学生でありながら、本当に良い体験をすることが出来たと回想しています。
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