蚊帳「かや」

寝苦しい夏の夜 涼しい風を誘う

テレビを見ていると、コマーシャルに懐かしい夏の風景がよく登場する。

手押しポンプの井戸や、縁側で昭和30年ごろの製品と思われる
扇風機の風で涼む姿などである。

画面を見ていると、涼しさがよく伝わってきて、
「日本の夏」が懐かしく思い出されるから不思議である。  

日本の夏といえば、工夫して涼しさを得ることのほかに、ハエや蚊といった
この時期に大量発生する害虫との戦いも風物といえる。  

麻で作られた緑色の蚊帳は寝室などにつるされ、寝ている間、
蚊の侵入を防いでくれ、安心して休むことができた。

蚊帳をつっておけば、窓を開け放って少しでも涼しい風を取り入れることができ、
寝苦しい夏の夜を気持ちよく過ごせたと、よくうかがう。

薄っぺらな麻製品ではあるが、結構高価な商品で六畳用の本麻の蚊帳が
昭和20年代の後半で約5,000円ほど、大卒の銀行員の初任給とほぼ同額であった。  

部屋全体につる方式の蚊帳のほか、傘のように広げて
用いる幼児用の折り畳み式の蚊帳もよく使われた。

昭和30年代に入ると、本麻の製品のほか、ナイロンなど合成繊維の蚊帳も用いられた。

子どものころ、蚊帳のすそを大きく持ち上げて入り、親からしかられた記憶がある。

蚊帳に入るときは、蚊が入らないよう、蚊帳のすそを体の線に沿わせて慎重に入らなければならなかった。

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