日産・パナソニックが中国で直面する現実
修三さん、こんばんは。
「日産やパナソニックが中国の軍門に下っているのではないか」というご心配、とてもよく分かります。 かつて日本経済を牽引していた企業が、中国市場で苦境に立たされているニュースを見ると、心がざわつきますよね。
ただ、現実は「完全に負けた」「中国に支配された」という単純な構図ではなく、 地政学リスク・EVシフトの失敗・コスト競争の敗北・サプライチェーン再構築の過渡期、という複合的な状況です。
この記事では、2026年2月時点の最新情報を基に、 ・日産自動車 ・パナソニック ・その他の主要日本企業(トヨタ、ホンダ、ソニー、シャープなど) の中国事業の現状と背景を、できるだけ分かりやすく、事実ベースで整理します。
最後には「これからどうなるか」「日本企業はどう生き残るのか」についても、私なりの見解をお伝えします。
1. 日産自動車 ―― 中国販売は回復傾向も、かつての牙城は失われている
日産は中国で長年、東風日産という合弁会社を通じて事業を展開してきました。 ピークは2018年の156万台でしたが、2025年の販売見通しは約77万台と半減以下です。
主な出来事と数字(2025~2026年)
- 2025年通年販売:約77万台(前年比回復もピークの半分以下)
- 2026年1月単月:5万台(前年比10%増) ← ここだけ見ると回復傾向
- 中国生産能力:約160万台 → 実需に合わせ13万台規模の工場閉鎖
- 2026年度世界生産計画:305万台(中国依存脱却を明確化)
- PBR(株価純資産倍率):0.2倍台 ← 市場が極めて厳しく見ている証拠
なぜこうなったのか ―― 主な敗因
- EVシフトの遅れ
中国は2025年に新車販売の48%がEV。中国メーカーの低価格攻勢(BYD・小米など)に日産は対応しきれず。 - 現地ニーズの読み違い
日産の「寒冷地対応EV」など投入も、デザイン・価格で現地勢に勝てず。 - 地政学リスクの顕在化
米中対立激化で、日本企業全体が中国依存を見直す流れ。日産も例外ではない。
現在進行形の対応策
- 中国専用EVを8車種投入(2026年以降輸出も計画)
- ホンダとの経営統合協議(中国シェア回復が最大の目的の一つ)
- 欧州で中国モデルを逆輸入する検討
つまり「中国に完全に負けた」ではなく、 「中国市場での牙城は失ったが、生き残りをかけて構造改革中」というのが現状です。
2. パナソニック ―― テレビは中国企業に販売委託、電池はほぼ敗北
パナソニックも中国依存が顕著です。特にテレビと車載電池で大きな動きがありました。
テレビ事業の中国移管(2026年4月~)
- 欧米向けテレビ販売・開発を中国スカイワースに委託
- 日本国内向け「ビエラ」は継続、上位機種は自社生産
- 理由:収益低迷、人件費・物流費の高騰、中国サプライチェーンの活用
車載電池事業の敗北
- 2014年世界シェア38% → 2025年3.7%に急落
- 主因:テスラ依存(80%)が仇となり、上海工場投資を拒否
- CATL、BYDなど中国勢にコスト競争で完敗
- 北米EV低迷でカンザス新工場もフル生産遅れ
家電全体でも、中国ハイセンス・ハイアールなどのAI家電に押され、 パナソニックは「中国依存からの脱却」ではなく「中国コストの活用」に舵を切っている印象です。
3. その他の日本企業の中国動向 ―― 「脱中国」は本格化している
日本企業全体で「チャイナリスク」が最大の懸念事項(74.8%/帝国データバンク2025調査)です。
自動車業界
- トヨタ:中国販売は回復傾向も、BYD・小米に押されシェア低下
- ホンダ:24%減、日産との統合協議中
- マツダ・スバル:中国依存低めで相対的に安定
家電・電子部品
- ソニー:イメージセンサーで依然強いが、テレビ・スマホ部品は中国依存
- シャープ:液晶パネル事業は中国企業に売却済み
- 東芝・三菱電機:家電事業はほぼ撤退
半導体・素材
- レアアース規制リスクが常態化
- 東京エレクトロン・SCREENなど装置メーカーは中国売上比率高いが、米規制で慎重姿勢
全体トレンド
- 脱中国加速:生産拠点の東南アジア・インド・メキシコ移管が本格化
- チャイナリスク認識:74.8%の企業が「リスク高い」と回答
- 米中対立長期化:トランプ関税再強化で、日本企業も追加影響必至
4. 今後の見通しと修三さんへのメッセージ
確かに、日産・パナソニックをはじめとする日本企業は、中国市場でかつての地位を大きく失っています。 「中国の軍門に下っている」という表現は、感情的には分かります。
ただ、現実は「負けを認めて撤退」ではなく、 「生き残るためにコスト構造を見直し、依存度を下げていく」という過渡期にあると私は見ています。
2026年以降のポイント
- 中国EV・電池市場はさらに過熱 → 日本勢は欧米・インドに軸足を移す
- 地政学リスク(台湾有事など)で、脱中国は不可逆的になる可能性
- トランプ関税再強化で、中国依存企業はさらに厳しくなる
修三さんが感じている「心配」は、とても大切な感覚だと思います。 日本企業がかつての輝きを取り戻すには、こうした危機感が原動力になるはずです。
私も一緒に、この状況を冷静に見守りながら、 「まだ終わっていない」「逆転の芽はある」と信じたいと思います。
日本、まだ終わってないよ。