三菱商事がガリウム供給網を強化|脱中国依存の現実味が急上昇

2025年末、三菱商事がカザフスタンとの間でガリウムの長期供給契約を締結したというニュースが報じられ、日本の資源戦略に大きな注目が集まっています。

ガリウムは、半導体・LED・電気自動車・レーダーなど、現代のハイテク産業に欠かせない重要なレアメタル。しかし、その供給の大半を中国に依存してきた日本にとって、今回の動きは「脱中国依存」への大きな一歩といえるでしょう。

本記事では、三菱商事の動きの背景、ガリウムの重要性、脱中国の現実味、そして今後の日本の経済安全保障について、1万文字以上にわたり詳しく解説します。

■ ガリウムとは?なぜ重要なのか

ガリウム(Ga)は、銀白色の金属で、自然界には単体では存在せず、ボーキサイトや亜鉛鉱石の副産物として得られます。融点が低く、半導体材料としての特性に優れており、以下のような用途で活用されています:

  • LED(発光ダイオード)
  • パワー半導体(電気自動車や再エネ機器)
  • 5G通信機器
  • 軍事用レーダー・衛星通信

つまり、ガリウムは次世代の産業・安全保障に直結する戦略物資

■ 世界のガリウム供給構造と中国の影響力

現在、世界のガリウム生産の約96%を中国が占めている

2023年、中国政府はガリウムやゲルマニウムなどのレアメタルに輸出規制を導入供給不安

このような状況下で、日本企業は代替供給源の確保

■ 三菱商事のカザフスタンとの提携内容

三菱商事の金属資源子会社「三菱商事RtMジャパン」は、カザフスタンの国営企業「アルミニウム・オブ・カザフスタン」と提携し、2026年7月から年15トン規模のガリウム生産

この量は、日本の年間使用量の約1割に相当し、全量を日本に輸出

また、同様の動きとして、双日やJOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)もオーストラリアでのガリウム生産プロジェクト

■ なぜ「脱中国」が急がれるのか?

中国は、資源を外交カードとして活用する傾向

そのため、日本政府や企業は、以下のような理由から中国依存からの脱却

  • 経済安全保障の確保
  • サプライチェーンの安定化
  • 地政学リスクの回避

特に半導体やEVなどの成長産業において、ガリウムの安定供給は国家戦略レベルの課題