
2026年1月7日、新年恒例となっている経済3団体(日本経団連、日本商工会議所、経済同友会)の 新年祝賀会が開催されました。
この場で、日本商工会議所会頭・小林健氏が発した 「地政学的な大不況が起こり得る」 という警告は、政財界のみならず多くの経済関係者の注目を集めました。
本記事では、この発言の背景にある国際情勢、トランプ政権の動向、 ベネズエラや中東を巡る地政学リスクを整理しながら、 2026年の日本経済と個人・企業が取るべき備えについて、専門的視点で解説します。
経済3団体新年祝賀会とは何か
経済3団体新年祝賀会は、日本の経済界を代表する三団体が一堂に会する重要な場です。
- 日本経済団体連合会(経団連)
- 日本商工会議所(日商)
- 経済同友会
毎年、政権中枢や企業トップが参加し、その年の日本経済の方向性や 国際情勢への認識が共有されます。
2026年の祝賀会には、数百人規模の企業経営者が出席し、 表向きは「景気回復への期待」を語りながらも、 裏では強い警戒感が共有されていました。
日商会頭・小林健氏が警告した「地政学的大不況」
今回、特に注目されたのが、日本商工会議所会頭・小林健氏の発言です。
小林氏は、
「世界は今、地政学的な緊張が連鎖し、大きな不況に陥るリスクを抱えている」
と述べ、楽観論に流れがちな市場心理に対して明確な警鐘を鳴らしました。
日商は中小企業を多く抱える組織です。 そのトップが「大不況」という言葉を使ったこと自体、 現場の危機感の強さを物語っています。
背景① トランプ政権の自国第一主義と「相互関税」
警告の背景として真っ先に挙げられたのが、 トランプ米政権の「自国第一主義(MAGA)」です。
トランプ大統領は再び、
- 相互関税の強化
- 輸入制限の拡大
- 同盟国への負担増要求
といった政策を強硬に進めています。
小林氏は祝賀会で、
「MAGAは米国一国で完結するものではない。世界全体の協力がなければ持続しない」
と指摘しました。
これは、日本を含む同盟国に対する間接的な警告とも受け取れます。
背景② ベネズエラ情勢とエネルギーリスク
もう一つの重要な要素が、ベネズエラを巡る緊張です。
米国による制裁強化や軍事的圧力が続く中で、
- 原油供給の不安定化
- エネルギー価格の急変
- 新興国経済への波及
といったリスクが顕在化しています。
エネルギー輸入国である日本にとって、 ベネズエラや中東情勢の悪化は、 直接的なコスト増につながります。
背景③ 中東情勢の悪化と物流リスク
中東地域では、依然として武力衝突の火種が消えていません。
ホルムズ海峡、紅海、スエズ運河など、 世界物流の要衝で問題が起きれば、
- 輸送コスト上昇
- サプライチェーン寸断
- インフレ再燃
といった連鎖反応が起こります。
祝賀会では、多くの企業トップが 「2020年代後半は、安定成長を前提にできない」 という認識を共有していました。
IMFが示す成長率低下予測の意味
国際通貨基金(IMF)は、
- 2025年:GDP成長率 2.1%
- 2026年:GDP成長率 1.5%
という減速予測を示しています。
一見すると「小幅な低下」に見えますが、 実際には潜在成長力の弱さが浮き彫りになっています。
地政学リスクが顕在化すれば、 この数字はさらに下振れする可能性があります。
中小企業の視点から見た問題点
日本商工会議所の立場から見れば、 現在の政策は大企業偏重になりがちです。
為替変動や原材料高の影響を最も受けるのは、 体力の弱い中小企業です。
小林氏の発言には、
- 賃上げ余力の限界
- 価格転嫁の難しさ
- 金融引き締めへの不安
といった現場の切実な声が込められていました。
未来予測|株価・為替・日本経済はどうなるのか
地政学リスクが高まった場合、
- 世界株価の調整
- リスク回避による円高
- 輸出企業の収益悪化