
歌は、世につれ、世は、歌につれ。
〜紅白を離脱した夜、私は昭和の光の中にいた〜
あの大晦日の夜、テレビの音量は消えた。しかし、私の心の中では、かつての「本物の歌」が鳴り響いていたのです。
「最近の流行歌のセリフは、何を言っているのか分からない」「踊ってばかりで、歌詞が心に入ってこない」……。
もし貴方がそう感じているなら、それは決して貴方が「古い」からではありません。貴方の耳が、心が、「本物の歌」を覚えているからです。
本記事では、昭和30年代・40年代の流行歌が持つ、計り知れない「癒やしの力」と、それが私たちの脳や魂にどのような影響を与えるのかを、実体験に基づき紐解いていきます。
1. 2025年大晦日の衝撃。なぜ私は紅白を30分で離脱したのか
好奇心でチャンネルをNHK合わせた大晦日の祭典。しかし、そこに広がっていたのは、かつての「歌合戦」とは似て非なる光景でした。
目まぐるしく変わるカメラワーク、理解不能なセリフ(歌詞)、そして歌唱力よりも視覚的な演出を優先した集団ダンス。そこには、一人の歌手が魂を込めて一曲を歌い上げる「静寂の深み」が欠けていたのです。
現代音楽への「違和感」の正体
- メロディの複雑化: 口ずさむことができない難解な音階。
- 言葉の軽視: 韻を踏むことやリズムを優先し、物語性が失われた歌詞。
- 視覚の過剰: 歌を「聴く」のではなく、映像を「消費する」スタイル。
これでは、歌に人生を重ね合わせる余白などありません。私が離脱したのは、老化のせいではなく、「歌との対話」を求めていたからなのです。
2. YouTubeというタイムマシン。昭和30・40年代への帰還
テレビを消し、静まり返った部屋でYouTubeを開く。そこで検索したのは、かつての流行歌。画面から流れてきたのは、温かい「あの頃の歌」でした。
井上ひろし「雨に咲く花」
しっとりと、そして切なく響くあの歌声。雨の匂い、アスファルトを叩く音までが聞こえてくるような叙情性。 歌詞の一言一言が、かつての若き日の淡い恋や、失った情景を鮮やかに描き出します。
坂本九「上を向いて歩こう」
世界中に愛された名曲。口笛の音色が、当時の自分たちの力強さと、明日への希望を思い出させてくれました。 「一人ぽっちの夜」という孤独を受け入れつつ、前を向く強さを、この歌は教えてくれます。
3. 科学が証明する「懐メロ」の力:回想法と脳の活性化
私が感じた「至福の時間」。これは単なる感傷ではありません。医学的にも、高齢者にとって懐かしい歌を聴くことは「回想法」として知られ、非常に高い治療効果があると言われています。
| 効果の種類 | 具体的な変化 |
|---|---|
| 情動の安定 | オキシトシン(幸福ホルモン)が分泌され、不安や孤独感が解消される。 |
| エピソード記憶の再生 | 当時の場所、仲間の顔、食べ物の味などが蘇り、脳の深部が活性化する。 |
| 自己肯定感の向上 | 「あの時代を生き抜いた」という誇りを確認し、明日への意欲が湧く。 |
4. AIと共存する社会だからこそ、アナログな「魂の歌」を
私は、デジタル技術がどれほど進化しても、昭和の歌が持っていた「間(ま)」や「息遣い」を完全に再現することはできません。
今の社会に必要なのは、効率や速さではなく、「立ち止まって振り返るための、心の港」ではないでしょうか。
これからの老後を「至福」にするために
無理に今の流行に合わせる必要はありません。貴方の「好き」が、貴方の正解です。
一人の時間を慈しむ
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思い出を言葉にして残す