
79歳が見つけた新しい希望
ペースメーカーと生成AI|身体障害者1級でも諦めない人生
📖 前回のあらすじ
1995年、Windows95との出会いが私の人生を変えました。機械音痴だった私が、毎日練習を重ねてブラインドタッチを習得。パソコンは心の支えとなり、体力の衰えを補う強力なツールとなりました。
しかし、さらに10年後、私の心臓はまた新たな試練を迎えることになります…
Windows95との出会いから10年。パソコンという技術が、私の生活に欠かせないものとなっていた頃―
2005年、私の心臓は限界を迎えていました。
ペースメーカーの装着。そして、身体障害者1種1級の認定。
その後の糖尿病の発症。複数の病気を抱えながらの日々。
しかし、そんな私に再び希望をもたらしてくれたのは、「生成AI」という新しい技術でした。
📑 この記事の内容
ペースメーカー装着の決断―2005年、56歳の選択
Windows95でパソコンを始めてから10年。私は56歳になっていました。
パソコンのおかげで、在宅でもできる仕事を続けることができていました。しかし、心臓の状態は年々悪化していました。
心臓からの最後通告
ある日、自宅でパソコン作業をしていた時のことです。
突然、激しい動悸と共に、視界が暗くなりました。
「これは…おかしい」
すぐに救急車を呼び、病院に運ばれました。診断結果は、「完全房室ブロック」。心臓の電気信号が正常に伝わらない状態でした。
医師から告げられた言葉は、重いものでした。
「このままでは、いつ心臓が止まってもおかしくありません。ペースメーカーの装着をお勧めします」
ペースメーカーとは何か
💓 ペースメーカーの基礎知識
- 心臓のリズムを電気信号で調整する小型機器
- 鎖骨の下に埋め込む手術が必要
- 電池寿命は約7〜10年(定期的な交換が必要)
- MRI検査に制限がある(最近の機種は対応可能)
- 携帯電話やIHクッキングヒーターは通常使用OK
手術は成功しました。しかし、その後の生活は大きく変わりました。
装着後の生活の変化
定期チェックが必須に
3〜6ヶ月ごとに、ペースメーカーの動作確認が必要になりました。電池残量、設定値、不整脈の有無などを細かくチェックします。
身体障害者手帳の取得
ペースメーカー装着により、身体障害者1種1級の認定を受けました。これは、心臓機能障害の中で最も重度の分類です。
運動制限
激しい運動は禁止。重いものを持つことも避けるよう指示されました。
ペースメーカーを装着した当初は、「機械に命を預けている」という不安が常にありました。
夜、寝る前に胸に手を当てて、規則正しく動く心臓を確認する―それが日課になりました。
「まだ動いている。明日も生きられる」
そう思うだけで、涙が出ることもありました。
身体障害者1種1級という現実
身体障害者1種1級の認定は、様々な支援を受けられる一方で、「重度の障害者」という現実を突きつけられることでもありました。
受けられる支援
| 支援内容 | 詳細 |
|---|---|
| 医療費助成 | 自立支援医療(更生医療)により、心臓に関する医療費が1割負担に |
| 障害年金 | 障害基礎年金・障害厚生年金の受給資格(条件による) |
| 税金の控除 | 所得税・住民税の障害者控除(特別障害者として40万円控除) |
| 交通費助成 | 電車・バスの運賃割引、高速道路料金割引、タクシー券支給(自治体による) |
| NHK受信料 | 全額免除(世帯全員が市町村民税非課税の場合) |
| 公共施設 | 博物館・美術館などの入場料無料または割引 |
これらの支援は、申請しないと受けられません。
私も最初は知らずに、後から「こんな制度があったのか」と驚きました。
市区町村の障害福祉課に相談し、受けられる支援を全て確認することをお勧めします。
障害者として生きる心境
身体障害者1種3級から1種1級への変更でした。
「まだ56歳。こんなに若いのに、重度障害者なのか…」
そんな思いが、心の奥底にありました。
しかし、デイサービスで出会った方々との交流を通じて、考え方が変わりました。
「障害があっても、できることはたくさんある」
「支援を受けることは、恥ずかしいことではない」
そう思えるようになるまでには、時間がかかりました。
糖尿病との闘い―在宅時間増加がもたらしたもの
ペースメーカー装着後、外出する機会が減り、家にいる時間が増えました。
それまで、間食をする習慣はほとんどありませんでした。しかし、家にいる時間が長くなると、ついつい甘いものに手が伸びるようになったのです。
糖尿病の発症
ペースメーカー装着から5年後の2010年。定期健診で、衝撃的な結果を告げられました。
「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が8.5%。糖尿病です」
基準値は6.2%未満。私の数値は、明らかに異常でした。
糖尿病とは何か
🍬 糖尿病の基礎知識
- 血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きが悪くなる病気
- 放置すると、失明・腎不全・神経障害・心筋梗塞などのリスク
- 食事療法・運動療法・薬物療法の3本柱で管理
- 完治はしないが、適切な管理で健康な人と変わらない生活が可能
生活の大幅な見直し
糖尿病と診断されてから、生活は一変しました。
食事制限
- 1日の摂取カロリーを1,600kcalに制限
- 炭水化物(ご飯・パン・麺類)を減らす
- 野菜を先に食べる「ベジファースト」
- 間食は基本的に禁止
血糖値の自己測定
毎食前・毎食後に血糖値を測定。記録をつけて、医師に報告します。
薬物療法
血糖降下薬を毎日服用。最近はインスリン注射も始めました。
間食が習慣になっていた私は、間食禁止は本当に辛いものでした。
「あと一口だけ…」という誘惑と、毎日戦っています。
しかし、妻が毎日カロリー計算をして食事を作ってくれるおかげで、HbA1cは7.8%まで下がりました。
まだ基準値には届きませんが、確実に改善しています。
2ヶ月に一度の通院生活―複数の病気との付き合い方
現在、私は以下の病気を抱えています:
- ✅ 心筋梗塞後遺症(心臓の半分が壊死)
- ✅ ペースメーカー装着(完全房室ブロック)
- ✅ 両足の動脈閉塞
- ✅ 糖尿病
- ✅ 前立腺肥大
そのため、2ヶ月に一度、総合病院に通っています。
通院日のスケジュール
朝7時30分:自宅出発
タクシーで病院へ。片道約30分です。
9時:循環器内科(心臓)
ペースメーカーのチェック、心電図、血液検査。診察時間は約30分。
10時半:糖尿病内科
HbA1c、血糖値の確認。食事指導。診察時間は約20分。
11時半:泌尿器科(前立腺肥大)
症状の確認、投薬調整。診察時間は約15分。
13時:薬局で薬を受け取り
2ヶ月分の薬を受け取ります。待ち時間約30分。
14時:帰宅
通院だけで丸一日かかります。帰宅後は疲れてしまい、すぐに休憩します。