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高市政権の介護分野処遇改善|月1万円賃上げと2027年改定の全貌

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介護分野処遇改善のイメージ画像 後期高齢者の日常コラム|人生・社会・京都
  1. 目次
  2. 1. 高市政権が掲げる介護分野の改革とは
    1. 従来の政権との違い
    2. 自民党と日本維新の会の連立合意
  3. 2. 月1万円賃上げの具体的内容
    1. 💰 賃上げの概要
    2. 誰が対象になるのか
    3. 医療分野との比較
  4. 3. 補正予算による緊急支援策
    1. 補正予算の規模と財源
    2. なぜ緊急支援が必要なのか
  5. 4. 2027年介護報酬改定の展望
    1. 次期改定のスケジュール
    2. 2027年改定の重要論点
      1. ①処遇改善加算の抜本的見直し
      2. ②人員配置基準の柔軟化
      3. ③介護DXの本格推進
      4. ④利用者負担の見直し
      5. ⑤介護保険の都道府県主導化
  6. 5. 処遇改善加算の見直しポイント
    1. 現行の処遇改善加算制度
    2. 2027年改定での見直し方向性
      1. ①対象職種の拡大
      2. ②配分ルールの柔軟化
      3. ③要件の簡素化
  7. 6. 介護事業所への影響と対応策
    1. 賃上げ措置への対応
      1. 補助金の申請準備
    2. 2027年改定に向けた準備
      1. ①ICT・DX化の推進
      2. ②職場環境の改善
      3. ③生産性向上の取り組み
    3. 経営面での対策
      1. 収益構造の見直し
  8. 7. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. 月1万円の賃上げはいつから実施されますか?
    2. Q2. パート職員も賃上げの対象になりますか?
    3. Q3. ケアマネジャーも今回の賃上げ対象ですか?
    4. Q4. 補正予算の賃上げ措置は継続されますか?
    5. Q5. 小規模事業所でも申請できますか?
    6. Q6. 2027年改定で介護報酬は上がりますか?
    7. Q7. 事業所が倒産した場合、職員への支援はありますか?
    8. Q8. 処遇改善加算の申請が間に合わなかった場合は?

目次

1. 高市政権が掲げる介護分野の改革とは

2024年10月21日に第104代内閣総理大臣に就任した高市早苗首相は、就任会見において介護分野への支援を最優先課題の一つとして明言しました。

高市首相の発言(就任会見より)

「いまはとにかく国民が困っている。例えば多くの医療機関が赤字で、介護施設の倒産は過去最多となった。私たちの安心・安全に関わる大切なインフラが失われるかもしれない。いま手をつけなければ間に合わない」

従来の政権との違い

高市政権の介護政策は、従来の「削減・効率化」路線から大きく転換し、「経営支援」と「処遇改善」を前面に打ち出している点が特徴です。

  • 積極財政の姿勢:財政規律派とは一線を画し、介護現場への投資を重視
  • スピード重視:報酬改定を待たずに補助金を前倒しで措置
  • 包括的支援:賃上げだけでなく、経営改善も視野に入れた支援

自民党と日本維新の会の連立合意

高市政権は日本維新の会との連立政権として発足しました。連立合意書には以下の内容が明記されています。

  1. 医療・介護施設の経営安定化支援
  2. 従事者の処遇改善の早期実現
  3. 2026年度中に具体的な制度設計を実施

2. 月1万円賃上げの具体的内容

💰 賃上げの概要

  • 対象:介護従事者全般(処遇改善加算の対象外職種も含む)
  • 金額:月額1万円
  • 期間:半年分(6ヶ月分=計6万円)
  • 実施時期:2024年度補正予算成立後、速やかに実施

誰が対象になるのか

今回の賃上げ措置は「介護従事者全般」が対象となっており、従来の処遇改善加算では対象外だった職種も含まれる可能性があります。

職種カテゴリ 対象職種例 今回の対象
介護職員 介護福祉士、ヘルパー、介護助手 ✓ 対象
ケアマネジャー 居宅・施設ケアマネジャー ✓ 対象
看護職員 看護師、准看護師 ✓ 対象
リハビリ職 PT、OT、ST ✓ 対象
事務職員 事務員、受付 △ 要確認

医療分野との比較

医療分野では「賃上げに取り組む医療機関で働く従事者に対し、プラス3%の半年分の賃上げ」が措置されます。介護分野は月額固定の1万円という形で、より直接的な支援となっています。

3. 補正予算による緊急支援策

補正予算の規模と財源

政府は2024年度補正予算案に、物価高対策の一環として医療・介護現場への支援策を盛り込みました。

補正予算のポイント
  • 当初予定していた国民への給付金を見直し、その財源を医療・介護支援に振り向け
  • 介護報酬改定の時期を待たず、緊急的な対応として実施
  • 経営改善と処遇改善の両面から支援

なぜ緊急支援が必要なのか

介護業界は現在、三重苦に直面しています。

  1. 人件費の上昇:最低賃金の引き上げ、労働市場の逼迫
  2. 物価高騰:光熱費、食材費の大幅な増加
  3. 固定的な収入:介護報酬は原則3年ごとの改定で短期的な変動に対応できない

東京商工リサーチの調査によれば、2024年1月から9月までの「老人福祉・介護事業」倒産件数は前年同期比で約1.4倍に増加し、過去最多ペースで推移しています。

⚠️ 介護事業所の経営状況

実際の現場からは「電気代が前年比で月8万円増えた」「食材も2割近く上がって、利用者さんに値上げをお願いするわけにもいかない」といった悲鳴が上がっています。補正予算による緊急支援は、こうした倒産危機に瀕する事業所を救う「命綱」としての役割が期待されています。

4. 2027年介護報酬改定の展望

次期改定のスケジュール

2027年度の介護報酬改定は、かつてない大改正になると予測されています。その理由は以下の通りです。

  • 団塊の世代が80歳を超え、介護需要が急増する時期に差し掛かる
  • 介護人材不足がさらに深刻化する見込み
  • 2040年を見据えた持続可能な制度設計が求められる
時期 主な議論・決定事項
2024年12月~2025年春 社会保障審議会介護保険部会での制度改正議論
2025年末 介護保険部会での諮問・答申
2026年 介護給付費分科会での報酬改定議論、国会審議
2027年4月 新たな介護報酬の施行

2027年改定の重要論点

①処遇改善加算の抜本的見直し

高市政権下では、従来の処遇改善加算の仕組みを見直し、より実効性の高い制度への転換が検討されています。

  • 加算要件の簡素化
  • 対象職種の拡大(ケアマネジャーなど)
  • 配分の柔軟性向上

②人員配置基準の柔軟化

ICTやロボット技術の活用を前提とした人員配置基準の緩和が議論されています。

2024年度改定で先行実施

特定施設(介護付き有料老人ホーム)や介護老人保健施設では、すでに一定の条件下で人員配置基準の柔軟化が認められています。2027年改定では、この範囲がさらに拡大される見込みです。

③介護DXの本格推進

2026年4月から稼働予定の「介護情報基盤」を活用した、情報連携の効率化が進められます。

  • ケアプランデータの電子的共有
  • 医療機関との情報連携強化
  • 事務負担の大幅削減

④利用者負担の見直し

財政の持続可能性確保の観点から、以下の議論が進められています。

⚠️ 検討中の負担増施策
  • 介護保険の2割負担の対象拡大(現在:年収230万円以上を検討)
  • 応能負担の徹底(所得・資産に応じた負担)
  • 金融所得の反映(富裕層への負担増)

⑤介護保険の都道府県主導化

市町村が保険者となっている現行制度から、都道府県に権限と責任を移す案が浮上しています。財政基盤が脆弱な小規模自治体の限界を踏まえた改革です。

5. 処遇改善加算の見直しポイント

現行の処遇改善加算制度

2024年6月から、従来の3つの加算(処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算)が「介護職員等処遇改善加算」として一本化されました。

加算区分 主な要件
加算I キャリアパス要件I~III、職場環境等要件(13項目以上)、見える化要件
加算II キャリアパス要件I~III、職場環境等要件(7項目以上)
加算III キャリアパス要件I・II、職場環境等要件(7項目以上)

2027年改定での見直し方向性

①対象職種の拡大

現在は主に介護職員が対象ですが、以下の職種への拡大が議論されています。

  • ケアマネジャー:現在は対象外だが、業務負担の大きさを考慮して対象化を検討
  • 事務職員:介護現場を支える重要な役割を評価
  • 送迎ドライバー:特に通所系サービスでの役割を重視

②配分ルールの柔軟化

現在の配分ルールは、経験・技能のある介護職員への重点配分が求められていますが、事業所の裁量を広げる方向で見直しが進む可能性があります。

③要件の簡素化

特に小規模事業所にとって負担となっている書類作成や手続きの簡素化が期待されています。

6. 介護事業所への影響と対応策

賃上げ措置への対応

補助金の申請準備

月1万円の賃上げ措置を受けるためには、各都道府県が定める手続きに従って申請が必要になります。

事業所がすべきこと
  1. 都道府県からの通知・案内を確認
  2. 処遇改善計画書の作成
  3. 期限内に申請書類を提出
  4. 賃金台帳等の記録を適切に保管
  5. 実績報告書の提出(半年後)

2027年改定に向けた準備

①ICT・DX化の推進

人員配置基準の柔軟化を活用するためには、ICT機器の導入が前提となります。

  • 介護記録の電子化
  • 見守りセンサーの導入
  • インカムによる職員間連携
  • 介護ロボットの活用

②職場環境の改善

処遇改善加算の上位区分を取得するためには、職場環境の継続的な改善が必要です。

職場環境等要件の具体例
  • 労働時間管理の適正化(勤怠管理システムの導入)
  • 腰痛対策の実施(介護リフトの導入)
  • メンタルヘルス対策(相談窓口の設置)
  • 研修の充実(資格取得支援制度)

③生産性向上の取り組み

限られた人材で質の高いケアを提供するために、業務の見直しが重要です。

  • 業務フローの可視化と改善
  • タスクシフト・タスクシェアの推進
  • 記録時間の削減
  • 会議・カンファレンスの効率化

経営面での対策

収益構造の見直し

報酬改定に左右されにくい経営体質を作るために、以下の取り組みが有効です。

  1. 稼働率の向上:適切な営業活動とサービス品質の維持
  2. 加算の最大化:取得可能な加算の漏れがないかチェック
  3. 混合介護の活用:保険外サービスの提供による収益源の多様化
  4. コスト管理:光熱費、消耗品費などの削減

7. よくある質問(FAQ)

Q1. 月1万円の賃上げはいつから実施されますか?

A. 2024年度補正予算案の成立後、速やかに実施される予定です。各都道府県からの通知を待って、申請手続きを行う必要があります。具体的な時期は各都道府県によって異なる可能性があります。

Q2. パート職員も賃上げの対象になりますか?

A. 「介護従事者全般」が対象とされているため、パート職員も対象になると考えられます。ただし、勤務時間に応じた按分が行われる可能性があります。詳細は都道府県からの通知で確認してください。

Q3. ケアマネジャーも今回の賃上げ対象ですか?

A. 高市首相は「介護従事者全般」と述べており、ケアマネジャーも対象に含まれると解釈されています。従来の処遇改善加算では対象外でしたが、今回は含まれる見込みです。

Q4. 補正予算の賃上げ措置は継続されますか?

A. 今回の措置は半年分(6ヶ月分)の緊急支援です。その後については、2027年度の介護報酬改定で本格的な処遇改善が図られる予定です。政府は来年度の報酬改定でも引き続き支援策を講じる考えを示しています。

Q5. 小規模事業所でも申請できますか?

A. はい、事業規模にかかわらず申請可能です。むしろ経営が厳しい小規模事業所こそ、この支援を積極的に活用すべきです。申請手続きについては、各都道府県や関連団体がサポートする体制を整える予定です。

Q6. 2027年改定で介護報酬は上がりますか?

A. 高市政権は「経営支援」を前面に打ち出しており、プラス改定が期待されています。ただし、日本維新の会との連立であることや、利用者負担増とのバランスを考慮すると、大幅なプラス改定は難しい可能性もあります。

Q7. 事業所が倒産した場合、職員への支援はありますか?

A. 雇用保険の失業給付が受けられるほか、ハローワークでは介護職の再就職支援を強化しています。また、介護人材不足が深刻なため、他の事業所への転職は比較的容易な状況です。

Q8. 処遇改善加算の申請が間に合わなかった場合は?

A. 期中での加算取得も可能です。必要書類を整え、都道府県に届出を行えば、届出が受理された月から加算を算定できます。ただし、遡及しての算定はできないため、早めの対応が重要です。

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