高市政権が掲げる「17の戦略分野」一覧とその狙い
2025年、高市早苗政権は「選択と集中」の方針のもと、国力の再構築を目指して17の重点分野を設定しました。
これは単なる政策の寄せ集めではなく、日本の技術・防衛・社会基盤を根本から立て直すための実行計画です。
以下では、その17分野をわかりやすく解説します。
1. 半導体・量子技術
次世代チップや量子コンピューターの国産化を急ぐ分野です。TSMC熊本工場の拡張支援や、理研・東大などの量子研究体制を強化します。
2. AI（人工知能）開発・活用
生成AIや自治体AI導入を支援し、教育・医療・行政へのAI応用を推進します。日本語LLMの国産開発にも重点投資されます。
3. 防衛産業と安全保障技術
無人機、衛星通信、サイバー防衛を中心に、防衛装備の国産化率を高める戦略です。自衛隊と民間の技術連携も促進されます。
4. 宇宙・衛星通信インフラ
「準天頂衛星」や小型ロケット開発支援など、宇宙を防衛・通信・災害対策に活用する新産業を育てます。
5. エネルギー安全保障と次世代電池
再生可能エネルギーと水素、そして全固体電池など次世代蓄電技術に国家投資を集中します。脱炭素と供給安定を両立する狙いです。
6. 原子力・核融合開発
安全性の高い新型炉（SMR）や核融合の実用化研究に重点を置き、技術立国としての独自性を維持します。
7. 農林水産・食料安全保障
国内の食料自給力を高めるため、スマート農業やドローンによる省人化を進めます。輸入依存からの脱却を狙う政策です。
8. 医療・バイオ・創薬
国産ワクチン、創薬AI、ゲノム編集など、命を守る国産バイオ産業の基盤づくりを推進します。
9. デジタル行政・マイナンバー統合
縦割り行政の解消を目的に、マイナンバーを活用した行政デジタル一元化を加速。申請・支払い・医療をオンラインで完結させます。
10. 教育・人材育成（理数・AI教育）
AI・データ人材を年間10万人育成する計画。高校・大学でプログラミング教育を必修化し、再教育にも国費支援が拡大します。
11. 中小企業の生産性革命
人手不足の解消に向けて、デジタル化・ロボット導入・クラウド活用を支援。補助金制度の簡素化も進められます。
12. 観光・インバウンド再生
地方観光のデジタル化支援、世界遺産・温泉地のブランド戦略、外国人向け決済インフラ整備など、地方再生と外貨獲得を両立させます。
13. 住宅・都市再生・防災インフラ
空き家の再利用、耐震化支援、災害対応型まちづくりを強化。老朽インフラ更新と防災テック導入に重点が置かれます。
14. 地方創生と分散型経済
地方移住支援、地域通貨やデジタル田園都市構想など、地方に人と企業を呼び戻すための施策群です。
15. 女性活躍・少子化対策
出産・育児の経済的支援を拡充し、リスキリングで女性の再就職を後押しします。企業の管理職登用も義務化の流れです。
16. 外国人政策・労働力確保
特定技能制度を再設計し、即戦力人材を受け入れつつ地域共生を重視。技能実習制度の改革も同時に進行します。
17. 国家データ戦略・サイバー防衛
政府・企業・個人のデータを統合管理し、AI分析やセキュリティ強化に活用。国際標準に対応したデータ主権の確立を目指します。
まとめ：日本再興の“選択と集中”が始まる
高市政権の17分野は、単なる成長戦略ではなく「生存戦略」とも言える国家方針です。
AI・防衛・エネルギー・人材育成といった基幹領域に資金と人材を集中させ、
日本の技術的独立と社会の再構築を目指しています。
一見壮大に見えますが、これらはすべて「国民生活を守る」ための具体策です。
今後の補正予算や税制改正で、どの分野にどれだけ資金が流れるかが注目されます。