
はじめに:なぜ「具体的な褒め方」が必要か
高齢者に対する「すごいね」や「頑張ってるね」は悪くはないですが、
抽象的すぎると心には残りにくいものです。
具体的に何を評価しているのかがわかる言葉は、「見られている」
「役に立っている」と感じさせ、自己肯定感をぐっと高めます。
褒め言葉が効く理由(3つのポイント)
信頼性:具体的な言葉は「ちゃんと見てくれている」証拠になります。
実感:何が良かったのか本人がはっきり理解できる。
次への意欲:具体的な評価は「続けよう」という動機につながる。
高齢者の自己肯定感を高める褒め方10選(実例付き)
1. 「〇〇な所が素晴らしい」
例:❌「すごいね」 → ✅「毎日歩く姿勢が素晴らしいよ」
→ 行動そのものを具体的に褒めると、本人が何を評価されたかわかる。
2. 「○○のおかげで助かった」
例:❌「元気でいてね」 →
✅「お父さんが孫の相談に乗ってくれたおかげで、息子が前向きになったよ」
→ 貢献が具体化されると「まだ役に立てる」という実感が生まれる。
3. 「〇〇を教えてほしい」
例:✅「お父さんの仕事の話を聞かせて。今の私の参考にしたい」
→ 経験を求められることは最大級の承認。「あなたの経験は価値がある」と伝わる。
4. 「前より〇〇が良くなった」
例:✅「先月より歩く距離が伸びたね。努力の成果だね」
→ 成長や改善を認めることで、継続の動機づけになる。
5. 「〇〇な考え方が素敵」
例:✅「前向きな考え方がいつも素敵だと思う」
→ 行動ではなく**内面(価値観)**を認める言葉は、アイデンティティを支える。
6. 「〇〇のセンスが良い」
例:✅「その色の組み合わせ、センスがいいね」
→ 年齢に関わらず個性や美意識を認めることは“人として見られている”証拠。
7. 「〇〇が上手になった」
例:✅「写真の撮り方、上手になったね」
→ 「できた」より「上手になった」を言うと、努力の継続と成長を評価できる。
8. 「〇〇な経験は貴重だ」
例:✅「その経験は今の時代にこそ必要な知恵だね」
→ 長年の経験を現代的価値につなげる表現は自己肯定感を強める。
9. 「〇〇してくれて嬉しい」
例:✅「お父さんが孫の相談を聞いてくれて、私はとても安心した」
→ 単なる「ありがとう」より、具体的な感情を伝えると効果が高い。
10. 「〇〇な姿が格好いい」
例:✅「新しいことに挑戦する姿、ほんとうに格好いいよ」
→ 「格好いい」は年齢を越えて尊敬と若々しさを伝える強力ワード。
褒め言葉の共通ルール(すぐ実践できる5つ)
具体的であること:何が良かったか明確に。
タイムリーに伝えること:その場で伝えるほど効果的。
本心であること:お世辞は見抜かれる。
比較しないこと:他人ではなく過去の本人と比べる。
継続すること:一度でなく日常的に行う。
実践のコツ(習慣化する3つの方法)
日記をつける:親の良い点を毎日1つメモすると褒め言葉が自然に出る。
観察の時間を作る:忙しくても5分、様子を見る時間を取る。
言葉にする練習:心に思うだけでなく、声に出す習慣をつける。
まとめ(家族が今日からできること)
具体的な褒め言葉は高齢者の自己肯定感を確実に高めます。
まずは今日一つ、具体的な褒めフレーズを口にしてみましょう
(例:「今日は話を聞いてくれて嬉しかったよ」)。
続けることが何よりのサポートになります。
すぐ使える「10フレーズ」リスト(コピペ用)
「毎日歩く姿勢が素晴らしいよ」
「孫の相談に乗ってくれて助かったよ」
「昔の仕事の話をぜひ教えてほしい」
「この前より歩く距離が増えたね、努力の成果だね」
「その前向きな考え方が私は好きだよ」
「その色の組み合わせ、センスがいいね」
「写真の撮り方、すごく上手になったね」
「その経験は今の若い人に必要な知恵だよ」
「あなたが孫の話を聞いてくれて本当に嬉しかった」
「新しいことに挑戦する姿が本当に格好いいよ」
次は「小さな役割が自己肯定感を高める理由」をお伝えする予定です。