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配偶者を亡くした高齢者:自己肯定感が急低下する理由と「存在価値」を取り戻す家族の支え方

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家族ができる高齢者の自己肯定感向上サポート

一人暮らし高齢者支援編

リハビリ施設で見た現実|配偶者を亡くした高齢者の
自己肯定感が低下する理由と家族の支え方

はじめに

リハビリ施設で出会う多くの方が、一人暮らしをされています。

その理由の多くは「配偶者との別れ」です。

79歳の私が妻と暮らしている今だからこそ、一人暮らしの方々の
孤独と向き合い、家族ができる支援について考えます。

リハビリ施設での出会い

83歳の田中さん(仮名)の話

3年前に妻を亡くしてから、みるみる元気がなくなりました。


妻が亡くなる前:

明るく社交的
趣味も多彩
健康的な生活

妻が亡くなった後:

無口になった
食事が適当に
外出も減った
急速に体力低下

「生きている意味が分からなくなった」
この言葉が、私の心に重く響きました。
85歳の山田さん(仮名)の話
夫を亡くして5年。

変化:

料理を作らなくなった(「一人分を作る気がしない」)
会話がなくなった(「話す相手がいない」)
身だしなみへの関心低下(「見てくれる人がいない」)

 

「誰のために生きているのか分からない」
なぜ配偶者を亡くすと自己肯定感が下がるのか

①アイデンティティの喪失


長年の夫婦:

「〇〇の夫」「〇〇の妻」というアイデンティティ
二人で一つという感覚
相方がいなくなった喪失感

②日常の役割の消失

配偶者がいた時:

朝食を作る(相手のため)
洗濯をする(相手のため)
身だしなみを整える(相手のため)


配偶者がいなくなった後:

「誰のために?」という疑問
やる意味を見出せない
生活の質が急速に低下

③会話の相手の喪失

孤独の実態:

朝から晩まで誰とも話さない日々
自分の声を聞くのは一人言だけ
人間的なつながりの喪失

④存在価値の喪失

「必要としてくれる人がいない」
「いなくても誰も困らない」
「生きている意味がない」
この思考の連鎖が、自己肯定感を破壊します。

80歳前後になれば他人事ではない

私の実感

妻と二人暮らしの79歳の私でも考えます:

もし妻が先に逝ったら
もし私が先に逝ったら
一人になった時、どうする?

統計的現実:

80歳以上の一人暮らし率は高い
平均寿命の差で妻が残ることも多い
リハビリ仲間の8割が一人暮らし

「いつか来る日」への備え
現実から目を背けず:

一人になる可能性を認識
その時の準備を考える
家族との関係性を今から構築

離れて暮らす家族ができること

①定期的な連絡

頻度の目安:

毎日は難しくても
週2-3回の電話
または毎日のメッセージ

連絡のポイント:

❌「大丈夫?」(体調確認のみ)
✅「今日はこんなことがあったよ」(日常の共有)

②「必要としている」を伝える


具体例:
「お父さん、来週の日曜日、孫の運動会に来てほしい」

役割と期待が明確
「お母さんの得意料理、今度教えてほしい」

必要とされている実感
「相談したいことがある。話を聞いてもらえる?」

頼られている喜び

 

③オンラインでのつながり

ビデオ通話の効果:

顔が見える安心感
孫の成長を共有
リアルタイムの会話

私の経験:

孫とのビデオ通話を週1回するようになりました。


効果:

孫の日常を知れる
自分も日常を話せる
「つながっている」実感
次の通話が楽しみに

④訪問の重要性

可能な限り会いに行く:
月1回でも:

対面の温かさ
生活状況の確認
一緒に過ごす時間

訪問時にできること:

一緒に食事
家の片付け
買い物の手伝い
話を聞く

「大丈夫?」より効果的な声かけ

NG例とOK例

①健康面の確認

❌「大丈夫?ちゃんと食べてる?」
✅「最近何食べた?美味しかった?」

②孤独感への配慮

❌「寂しくない?」
✅「今週はどんなことして過ごした?」

③体調確認

❌「具合悪くない?」
✅「最近の調子はどう?リハビリは順調?」


質問の工夫

closed question(閉じた質問)を避ける:

「元気?」→「はい/いいえ」で終わる


open question(開いた質問)を使う:

「今週は何をして過ごした?」→会話が広がる
一人暮らしの親の自己肯定感を守る具体策

 

①小さな目標を一緒に作る

例:

週1回の散歩
月1回の外食
季節ごとの旅行計画
孫の誕生日プレゼント選び

目標があると:

生活にメリハリ
達成感
生きる目的

②地域とのつながり支援

家族ができること:

地域のサークル情報を探す
見学に付き添う
参加を促す(強制はしない)

つながりの効果:

同世代の友人
会話の機会
社会との接点
孤立の防止

③役割を作る

遠方でもできる役割:
「お父さん、週1回、孫に手紙を書いてもらえる?」

孫とのつながり
定期的な活動
必要とされている実感

「お母さん、昔の写真を整理してもらえる?家族の歴史を残したい」

意味のある作業
家族への貢献
思い出を振り返る機会

④緊急時の備え

安心感を提供:

緊急通報システムの設置
近隣協力員の確保
定期的な安否確認システム
医療機関との連携

京都市山科区の例:

月額150円~1,462円で利用可能な緊急通報システム
「あんしんネット119」

⑤デジタル活用支援

スマホ・タブレットの活用:

ビデオ通話
写真の共有
メッセージのやりとり
オンラインコミュニティ

教える時のポイント:

焦らない
繰り返し教える
できたことを褒める
マニュアルを作る

私が一人になった時のために考えていること
今から準備していること

①社会とのつながり:

ブログ運営(読者とのつながり)
リハビリ仲間との交流
地域活動への参加

②生活スキル:

料理を学ぶ
家事ができるように
自立した生活の準備

③精神的準備:

一人でも生きる覚悟
孤独との向き合い方
生きがいの複数化

妻と話し合っていること
お互いが一人になった時:

どう生活するか
家族にどう支えてほしいか
延命治療の希望
財産の整理

重い話題ですが、必要なことです。
リハビリ仲間から学んだこと
立ち直った人の共通点

①新しいつながりを作った人:

地域のサークル参加
ボランティア活動
趣味のコミュニティ

②生きがいを見つけた人:

孫の成長を見守る
日記をつける
新しい趣味を始める

③家族との関係が良好な人:

定期的な連絡
適度な距離感
互いに依存しすぎない

立ち直れない人の共通点

①孤立している人:

家族との疎遠
地域とのつながりなし
一日中家にいる

②配偶者への依存が強かった人:

全てを配偶者に任せていた
自分のアイデンティティがない
生活能力が低い

③過去にとらわれている人:

「あの時は」の連続
未来を見ない
変化を拒否

家族への具体的なお願い

①過度な心配は逆効果


「一人で大丈夫?」の連呼は:

能力を信じていないメッセージ
自己肯定感を下げる
依存を強める

②適度な距離感

毎日訪問 → 親の自立を妨げる
全く連絡なし → 孤立を深める

理想:

定期的な連絡+必要時のサポート

③自立を支援

「できること」を増やす支援:

スマホの使い方
簡単な料理
買い物方法
地域情報

④未来志向の会話

過去の思い出も大切ですが:

「次は何をしたい?」
「来月は一緒に〇〇しよう」
「新しく始めてみたいことは?」

未来の話題が生きる意欲を生みます。

まとめ:一人暮らし高齢者の自己肯定感低下の原因


アイデンティティの喪失
役割の消失
孤独感
存在価値への疑問


家族ができる支援:

定期的な連絡(質重視)
必要とされている実感を与える
地域とのつながり支援
適度な距離感の維持
未来志向の会話


79歳からのメッセージ:

配偶者を亡くした方の孤独は、想像以上に深いものです。

離れて暮らす家族の「つながり」が、生きる希望になります。

次回は「『家族に迷惑をかけたくない』と
悩む親への接し方」をお伝えしたいと思っています。

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