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心の拠り所 要支援2以上の高齢者ディーサービスで見つけたやすらぎ
高齢になってからの生活は、思いがけない孤独や後悔と向き合う時間でもあります。
私が週に一度、要支援2以上の方を対象にしたディーサービスへ通うようになってから、
さまざまな気づきと感情に出会いました。
通所されている方の多くは、一人暮らしの女性です。
お話を伺うと、ご主人を亡くされてから独りになったという方が大半でした。
その姿に触れるたび、私は送迎の車中で深く反省することがあります。
皆さん、それぞれの一軒家に住み、年金で静かに穏やかな暮らしを続けておられます。
長い年月を重ね、家庭を築き、家を守ってこられたであろうその姿は、
とても尊く感じられます。
一方で、かつていくつかの住宅を所有していた私も、今は市営住宅に住んでいます。
過去を振り返るたび、妻に顔向けができないような思いがこみ上げてきます。
「もっと大切にしていれば」と、悔やむ気持ちを抱くことも少なくありません。
しかし、このディーサービスに通う時間は、そんな後悔すら
包み込むような優しさで満ちています。
スタッフの方々は本当に親切で、私たち利用者一人ひとりに丁寧に接してくださいます。
そして、利用者同士も気兼ねなく話せる、心から安心できる空間がそこにはあります。
そんな中、数人の仲間と月に一度、カラオケボックスへ
行くのが楽しみのひとつになりました。
普段は物静かな方が、マイクを持った瞬間にパッと表情を変え、
若かりし頃の思い出を乗せて歌い上げる――。
その笑顔には、年齢を忘れさせるほどの輝きがあります。
カラオケの日が近づくと、私は自分の好きな歌、誰かが懐かしんでくれるかも
しれない曲を思い浮かべながら、何日も前から準備を始めます。
その時間さえもが、心の潤いとなって日々を照らしてくれるのです。
この場所に共通しているのは、「利害関係がまったくない人間関係の素晴らしさ」です。
何かを求めるのではなく、ただ共に過ごすことで生まれる信頼と温もり。
年齢を重ねた今だからこそ、その価値が胸に沁みて感じられます。
ディーサービスは、単なる介護支援の場ではなく、人生の晩年において
新しい「つながり」を育む場所でもあります。
人と人との触れ合いが、こんなにも心を救ってくれるのだと、
私はこの歳になってあらためて知りました。
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