
結婚60年を迎える私が、最近になって気づいたことがあります。
妻への感謝の気持ちが、自分自身の自己肯定感も
高めているということです。
今日は夫婦関係と自己肯定感について、
79歳の私の実体験をお話しします。
「当然」と思っていた日々
60年間の無自覚
恥ずかしい話ですが、数年前までの私:
朝:
妻が作った朝食を「当然」のように食べる
昼:
妻が洗濯した服を「当然」のように着る
夜:
妻が片付けた部屋で「当然」のように過ごす
「ありがとう」という言葉は、ほとんど言っていませんでした。
なぜ「当然」と思っていたのか
➀昭和の価値観
「男は外で働き、女は家を守る」
②長年の習慣
60年続くと、それが「普通」に
③感謝の表現方法を知らない
世代的に感情を言葉にする習慣がない
リハビリ施設での気づき
配偶者を亡くした友人たち
リハビリ施設で出会う多くの方が一人暮らしです。
80歳の友人の言葉:
「妻が生きていた時、もっと『ありがとう』を言えばよかった。
今更だけど、本当に感謝している」
この言葉が、私の心に深く刺さりました。
「当たり前」は存在しない
妻がいてくれること:
当たり前ではない
いつまでも続く保証はない
感謝すべきこと
この当然の事実に、79歳になってようやく気づきました。
女性の日常の大変さを実感
自分でやってみた
心臓病の治療で妻が入院した時期がありました。
初めて一人で:
食事の準備
洗濯
掃除
買い物
気づいたこと
①想像以上の労力
毎日続けることの大変さ
②細かい配慮
家族のことを考えながらの作業
③終わりがない
休日もない、24時間365日
④誰も褒めない
「やって当然」と思われている
妻の60年
これを60年間、毎日続けてきた妻。
私は何も手伝わず、感謝も言わず、「当然」だと思っていました。
この事実に、深く恥じ入りました。
「ありがとう」を言い始めた変化
最初は恥ずかしかった
60年間言ってこなかった言葉を、今更言うのは恥ずかしい。
でも、勇気を出して言い始めました。
妻の反応
最初は驚いていました。
「どうしたの?急に」
でも、だんだん嬉しそうな表情に変わっていきました。
変化したこと
妻の変化:
表情が明るくなった
会話が増えた
お互いへの配慮が増えた
私の変化:
妻への愛情を再確認
家事を手伝うように
感謝の気持ちが習慣に
感謝が自己肯定感を高める理由
①関係性の改善
感謝を伝えることで:
妻も嬉しい
私も嬉しい
お互いの存在価値を確認
②自分の成長を実感
79歳でも変われる:
古い価値観から脱却
新しい視点を獲得
人間として成長
③良い循環の創出
感謝を伝える
↓
妻が喜ぶ
↓
自分も嬉しい
↓
もっと感謝したくなる
↓
関係性がより良くなる
具体的に実践したこと
①毎日の「ありがとう」
朝:
「朝ごはん、ありがとう」
昼:
「洗濯してくれて、ありがとう」
夜:
「今日も一日、ありがとう」
②具体的な感謝
❌「ありがとう」(抽象的)
✅「この料理、本当においしい。ありがとう」(具体的)
③手紙を書いた
60年婚を前に、生まれて初めて妻に手紙を書きました。
内容:
60年間の感謝
気づかなかったことへの謝罪
これからも一緒にいたいという想い
妻は涙を流して読んでくれました。
④家事を手伝う
感謝を行動で示すため:
朝食の準備を手伝う
食器を洗う
テーブルを拭く
できることから少しずつ
高齢夫婦の自己肯定感
お互いを支え合う関係
一方的な関係:
片方だけが支える
感謝のバランスが崩れる
お互いの自己肯定感が下がる
対等な関係:
お互いに感謝し合う
それぞれの役割を認める
双方の自己肯定感が上がる
リハビリ仲間の夫婦
仲の良い夫婦の共通点:
お互いに感謝を言葉にしている
役割を押し付けない
相手の価値を認めている
二人とも表情が明るい
仲の悪い夫婦の共通点:
感謝の言葉がない
文句ばかり言う
相手を否定的に見る
二人とも元気がない
自己肯定感は夫婦関係に大きく影響されます。
家族(子世代)ができるサポート
①両親の関係性を観察
チェックポイント:
お互いに感謝を言っているか
一方が我慢していないか
会話があるか
笑顔があるか
②感謝を促す
例:
「お母さん、いつもお父さんのこと支えてくれてありがとう」
「お父さん、お母さんに感謝してる?」
③両方を尊重する
一方の肩だけ持たない:
父親の言い分
母親の言い分
両方を聞く
④お手本を示す
自分の配偶者に:
感謝を言葉にする
尊重する姿勢
協力する関係
親世代は、子世代の関係性を見ています。
ダイヤモンド婚式を迎えて
60年間の感謝
今月末、結婚60年のダイヤモンド婚式を迎えます。
妻への感謝:
60年間、支えてくれたこと
家族を守ってくれたこと
私の挑戦を応援してくれること
自分への気づき:
感謝を言葉にできるようになった
妻の大変さが分かった
まだ成長できている
これから
残された時間は誰にも分かりません。
だからこそ:
毎日「ありがとう」を言う
一緒にいられる時間を大切に
お互いの存在を認め合う
まとめ;感謝と自己肯定感の関係
感謝することで、相手も自分も幸せに
対等な関係が、お互いの自己肯定感を高める
何歳からでも変われる
実践のポイント:
毎日「ありがとう」を言う
具体的に感謝する
行動で示す
恥ずかしがらない
79歳からのメッセージ:
「当然」なことなど、何一つありません