国際指針に基づく「不動産価格指数」を国土交通省が公表。

目的と利用法は?

国土交通省は、国際指針に沿った住宅に関する「不動産価格指数」の試験運用を開始し、
8月29日から毎月公表していくと発表した。

不動産価格指数とは、一般の消費者にはあまり耳慣れない用語だが、
どういったものなのだろうか。

また、なぜ公表されるようになったのだろうか。

金融・経済危機の要因となる不動産価格の変動を把握するため

不動産価格指数(住宅)の開発の背景には、2007年に生じた米国のサブプライムローン
(信用力の低い個人向け住宅融資)問題に端を発した、世界各国での金融市場の混乱にある。

翌年のリーマン・ブラザーズの破綻から世界的な金融危機へと拡大した。

ヨーロッパでも、2000年代後半以降不動産バブルが崩壊し、現在の経済危機への誘因にもなっている。

つまり、不動産バブルの問題が金融・経済危機へとつながっており、これを把握できなかったのは、
不動産価格の変動に関する情報が不十分であったと考えられている。

この反省から不動産価格指数(住宅)の作成に関する国際指針が作成され、
主要先進国はこの国際指針に従って指数を整備し、運用を開始することにしている。

日本でもこれを受けて、「不動産価格の動向指標の整備に関する研究会」を設置し、国際指針に基づく
不動産価格指数(住宅)の開発を進めてきたが、8月から試験運用を開始し、毎月公表することになった。

不動産投資市場の活性化で求められた成約価格情報を基に

日本では以前から、不動産投資市場の活性化を阻害する要因として、
不動産の成約価格に関する情報が不透明であることが指摘されていた。

不動産投資とは、投資した不動産を賃貸して定期的に賃料から利益を得るインカムゲインと、
不動産を売却して利益を得るキャピタルゲインを期待するもの。

海外の投資家などが日本の不動産に投資する際に、その判断材料となる不動産の
成約価格の情報が少ないことが、市場活性化を阻害しているというわけだ。

そのために、国土交通省では2005年4月から不動産(土地、土地と建物、中古マンションなど)の
取引価格等(実際の売買価格、面積、最寄駅からの距離、築年数など)の調査を開始し、
四半期毎に国土交通省ホームページで公表している。

順次対象エリアなどを増やし、年間約30万件の情報を提供している。

今回の「不動産価格指数」は、このデータを基にして、不動産価格の変動を把握するために、
不動産価格に影響する個別性(所在地域や広さ、駅からの距離、築年数など)を排除する
推計方法(ヘドニック法)で指数化したものだ。

速報として毎月公表される指数は、2008年度の平均値を100として指数化し、住宅総合、土地、
建物付き土地、マンションを対象として、全国及び9ブロック別、3大都市圏別に作成される。

今月から始まる試験運用は2年間程度とし、検証や改善を行ったうえで本格運用に移行する予定。

8月29日14時に公表する速報「平成24年4月分」を皮切りに、以降は毎月初旬に速報を公表し、
来年1月初旬には「平成23年10-12月分」の確報を公表するスケジュールとなっている。

不動産価格の変動が分かる情報はほかにもある

実は不動産の価格指数は、リクルートが2002年8月からいち早く「リクルート住宅指数」として公表している。

リクルートの住宅情報誌やサイトに登録された情報を基に成約価格を類推し、
ヘドニック法により住宅の価格と賃料を指数化したものを毎月公表している。

また、2011年4月からは東京証券取引所が「東証住宅価格指数」として試験的に公表している。

これは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理している不動産流通情報システム(REINS)に
登録された成約価格情報を基に、リピートセールス法(同質性を有する不動産の複数回の売買価格を
活用して価格水準の動向を推計する方法)により住宅価格指数を作成しているもの。

首都圏の中古マンションが対象となっている。

今回の不動産価格指数(住宅)は、実際の取引月から公表までの期間が約5カ月とタイムリー性に
課題があるが、対象エリアが広く、個別に制約価格を調査した情報であることなどに特徴がある。

このように、データの取り方や推計方法が異なることなどを理解したうえで、不動産の売買や投資の
際に時間的な不動産価格の変動を把握する材料として、これらの価格指数を活用するとよいだろう。

ただし、個別物件の取引価格や相場などを把握するためのものではないので、それを知りたい場合は
基になっているデータ、例えば国土交通省の「不動産の取引価格情報」や「REINS Market Information」などを利用するとよいだろう。

スーモより

京都不動産情報 
担当:上田 075-583-3337

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